PayPayやLINE Pay、各社キャンペーンのしすぎで、消費者の感覚はバグってしまった件

QRコード読み取り社会問題

こんにちは、しみたくです。

昨年のPayPayの100億円キャンペーン以来、QRコード決済が空前の盛り上がりを見せています。

今日はPayPay以外にも、Line Payやd払い、メルペイ、au Pay、楽天Payなど乱立状態のQRコード決済業界の先行きについて考えています。


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QRコード決済市場はまさに激戦区、各社キャンペーンで顧客獲得に必死

昨年の12月ぐらいから、QRコード決済で各社がャンペーンを打ち出しており、使わないほうが損するぐらいの太っ腹な状況です。

特にPayPyaの第一弾100億円キャンペーンは還元上限が2万円と他社に比べて大幅に高く、ビックカメラで使えるため、通常は割引の少ないアップル製品やMicrosoft製品に割引が適用できるからと大いに盛り上がりましたね。

 

PayPay100億円あげちゃうキャンペーン
PayPay100億円あげちゃうキャンペーン

ちなみに今日まで私が試したQRコード決済とキャンペーンがこちら

・Line Pay 「Payトク」20%ポイント還元
・d払い「dポイント スーパーチャンス」20%ポイントで還元
・メルペイ「セブンカフェキャンペーン」200円以下のコーヒーが11円
・Origami Pay「KFCキャンペーン」ケンタッキーでのお会計が半額

他にもいくつかアプリをダウンロードしましたが、結局キャンペーン期間中に使うことなく眠っています。

こうした高い還元率のキャンペーンが展開されるのは、まだQRコード決済市場には未開拓の顧客がたくさんいて、大きなビジネスチャンスが眠っていると各社が考えているからでしょう。

こうして高還元率のキャンペーンを実施することで、まだQRコード決済を使ったことない人に、アプリをインストールしてもらい、電子決済の便利さに気づいてもらうことが目的です。

しかし、ITに疎い人たちに新しいアプリをインストールさせて、支払いに使ってもらうことは容易ではありません。

その障壁を乗り越えるために各社が身銭を切ってキャンペーンを実施しています。

このキャンペーンで如何に企業がお金をばらまいているかがよく分かるのがメッセージアプリで有名な「LINE」です。

「LINE」は2019年1~3月期連結業績で103億円の最終赤字を発表しています。

赤字の理由は明確にLine Payのマーケティング費用と公表されています。

企業にとってはQRコード決済市場は業績を赤字に転落させてまで、ここで投資をしておく価値のある市場ということです。


キャンペーンの乱立で、QRコード決済はキャンペーンありきの価格でアンカリングされてしまった

最近まであまりにも各社がキャンペーンをやりすぎて、ちょっと探せば20%還元のQRコード決済が使える状態でした。

新規顧客開拓のためのキャンペーンとして各社競争してきましたが、
残念ながら競争が激化しすぎたせいで、全体的に悪い方向に向かっていそうです。

それは、一般人の中でQRコード決済は高還元があるものとしてアンカリングされてしまったからです。

アンカリングとは
行動経済学用語で、「最初に提示された金額が基準となって、その後の意思決定に関わる思考の基準から離れなくなってしまう心理現象」です。

船の錨(アンカー)が語源で、まさに船を固定するために錨を下ろすように、最初に停止された金額で思考が固定され、その後の意思決定の際に、その固定された金額から比較してしまうという意味です。

今回のQRコード決済のキャンペーンでいうと、各社がキャンペーンで20%還元を連発し、一般市民の思考には
QRコード決済=高還元率(20%還元)

がしっかりとアンカリングされてしまいました。

そうなると、キャンペーンが終わった後、もしくはキャンペーンの還元率が数%程度の低いものになってしまったときに、人はものすごいもったいないような錯覚を感じてしまいます。

こちらのサイトで行われたPayPayの今後の利用意向に関するアンケートでも全体の58.7%もの人がPayPayをキャンペーン次第で利用すると回答しています。

PayPayの利用意向に関するアンケート 
画像引用元:クレジットカードのよみもの

26.7%は今後は利用しないと回答したものです。

こちらのアンケート結果から、一般人の中でPayPayの利用に際して、キャンペーンによる還元があることがしっかりとアンカリングされていることがわかります。

ただ、QRコード決済を使ったことがある人はわかると思いますが、現金で支払うよりも圧倒的に楽です。

キャンペーンによる高還元率も魅力的ですが、QRコード決済はそれ単体でも十分魅力的な決済方法だと思います。

一方で、クレジットカードはたった1%の還元率でありながら、決済方法として市民権を獲得しており、キャンペーンの有無にかかわらずみんな日常的に使われています。

スマホだけで決済できるとうことを考えると、QRコード決済のほうが便利であるにもかかわらず、また使いたいと思う人がここまで少ないことは本当に不思議です。

各社のキャンペーン乱立により、QRコード決済市場では一般人の中にキャンペーン価格がアンカリングされてしまったことで、リピーター獲得の障害となってしまいました。

完全に消費者の感覚をバグらせてしまったと言えるでしょう。


昔の牛丼業界の価格競争にならないことを願うばかり

これまでのQRコード決済に関係する各社の熾烈なキャンペーン合戦を見ていると、
昔の牛丼業界で起こった価格競争が思い出されます。

牛丼業界の価格競争では、今では考えられない牛丼3社すべてが200円台で牛丼を提供する状況でした。

このときは200円台で牛丼が食べられるということで、当初は人気が殺到しました。

ここにもアンカリング効果があります。

もともと牛丼は350円程度でアンカリングされていたため、200円に値下げされたことにお得感を感じた消費者が殺到したのです。

しかし、アンカリングは時間とともに変わります。

今度は牛丼が200円台でアンカリングされてしまいました。

そうすると、思っているよりも客足は伸びず、売上は徐々に減っていきます。

こうした値下げ競争の中で、牛丼各社は安い肉に変更することで原価を下げたり、ワンオペを導入して、人件費を削減したりしました。

結果、牛丼の味は落ちましたし、ワンオペの時間帯を狙った強盗事件なども発生し、とても良い結果とは呼べない状況になってしまいました。

なんだか、今のQRコード決済の過剰なキャンペーンが繰り広げられる状況は牛丼が200円になったときと同じように思えてしょうがないです。

各社ユーザの獲得に躍起になって、最終的にQRコード決済業界が破滅してしまわないことを祈るばかりです。

そのためにはこのキャンペーンの乱立状態は一旦落ち着き、もっと適正な競争ができる状況に立ち返ったほうがいいと思います。

こうした競争状態では、各社が動きを見合い、消耗戦を続けてしまう傾向にあります。

QRコード決済会社の各社も消耗戦になることの恐ろしさは理解していると思います。

このまま市場の競争に任せて膠着状態が続くことはキャッシュレス化を推進する国家としても不利益に繋がりかねません。

泥沼にハマりかけているQRコード決済市場が今後どうなっていくのか、楽しみと恐ろしさ半々で眺めていたいと思います。

最後までご愛読ありがとうございました。

P.S

アンカリングという言葉で「行動経済学」について簡単に触れましたが、行動経済学は人間がいかに非合理的な行動をするかを研究した学問です。

行動経済学は非常に面白く、ビジネスマンなら知っておいて損はない学問です。

「予想どおりに不合理」がとってもわかりやすのでおすすめです。

 

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